んだ愛情10のお

全てにおいて、書き殴り。
なのであんまり歪んでません。
そこはかとなく妖しい雰囲気を目指して。
お題配布サイト様→創作者さんに50未満のお題


 1 声が枯れるまで  
 2 俺だけを見ろ  
 3 爪を立てて  
 4 それはまるで食欲に似た、 
 5 従属
 6 自己犠牲=自己満足  
 7 逃げても無駄  
 8 殺していいか?  
 9 『永遠』  
10 鎖と檻と、そして君。














れるまで






朔と買出しに出かけた日。
雨のふる日にあの木の下で、知盛に出会って。
将臣君と3人で、夏の熊野をまわった。


今まで知らなかった、知盛の一面を見て。
同じ時空を、一緒に過ごして。


近づけたと、思ったのに。
それなのに、それでも貴方は逝ってしまった。


――――――――― 私を、置いて。


その日私は、声が枯れるまで叫んだ。
なにも聞きたくない、認めたくない。
2度と彼の声が聞けないことも、世界中どこを探しても、彼がいないことも、全部。


・・・どうしたら、貴方は生きてくれますか?
何度時空を繰り返しても、決して私と共に歩いてくれない貴方。


・・・けれどだからこそ、私は貴方に惹かれるのだろう。
自分の手にないものこそを、人は欲するものだから。








遠のいていく現実と、意識。・・・声が、聞こえる。
これはあの女・・・源氏の神子の声だ。
どこだ・・・どこにいる?・・・・・・もう、なにも見えない。


『うわあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』


全てを掻き消す叫び声。だがそれすらも、美しい旋律。


・・・そう。そうだ、源氏の神子。
お前はそうして、声が枯れて出なくなるまで・・・俺の名を、呼んで、叫び続けていればいい。
―――――― ・・・他の名など、紡げなくなるように。


俺が今、お前の声を潰してしまえたら
―――――――― ・・・


そうすれば。


可愛らしいお前の声が最期に紡いだのは、俺の名で在り続けるに違いないから・・・。




それはなんと、甘美な響きだろう。
・・・最後叫び声じゃん、ってツッコミはなしの方向で。



▲ TOP   ▲ BACK














だけを






いつものように、知盛が望美の躯を貪っていると
床に脱ぎ散らかした服を辿った先にあるソファの上で、彼女の携帯電話が小刻みに震えだした。



「あ、携帯・・・」



伸ばしかけた彼女の手を掴み、再びベッドに縫い付ける。
そうして知盛はまた、何事もなかったかのように、それまで続けていた行為に没頭してゆく。



「知盛・・・っ、ちょっと、携帯・・・!」

「そんなもの・・・放っておけ。」



望美の抗議も軽くいなして、知盛は望美の弱い部分ばかりを執拗に攻める。



「どうせ・・・将臣か、譲あたりだろう・・・?」

「そんなのッ・・・見てみないとわからないよぉ・・・!」



揶揄を含んだ口調で問われ、望美は快楽に流されないよう
知盛に与えられる愛撫に必死に耐えながら、途切れ途切れに返事を返す。
・・・そんな様子が更に知盛の情欲を誘うことなど、これっぽっちも気付かずに。



―――――― ・・・お前は、俺だけを・・・見ていればいいんだよ。」



与えられる快楽に酔いしれて、俺だけに縋っていればいい。



「まぁ、いいさ・・・すぐ余所事など、考えられないようにしてやる・・・」



・・・・・・望美が今日幾度目かの絶頂に辿り着くのに、そう時間は掛からなかった。




携帯の電源くらい切っとけ。



▲ TOP   ▲ BACK














てて






「・・・っ」



耳元で聞こえた知盛の呻き声に、望美は自分が
彼の背に、爪を深く食い込ませてしまっていることに気が付いた。



「あ・・・ごめん、爪・・・」



慌てて手を離そうとすると、自分のものとは確実に違う
硬くて大きな知盛の手にそれを遮られ、押し留められた。
僅かに浮いた手が、再び知盛の背に触れ、彼の低めの体温が掌に広がる。



「・・・・・いい。」

「いいって・・・でもそれじゃあ、傷が付いちゃうよ・・・」



望美は再び手を離そうとしたが、知盛は頑なに、それを許そうとはしない。
望美の手を自らの背へと誘いながら、知盛は彼女の肩口に残る刀傷に、唇で触れた。



「・・・っ!」



軽くそこを吸い上げられ、身体に走る電流のような感覚に、望美は思わず身を捩る。
今目の前にいる知盛じゃない、1つ前の時空で出逢った彼が、望美に残して逝った傷。



「・・・だから、付けていいと言っているんだ・・」

「知盛・・・?」



自分に覆い被さっている男を見上げ、少しばかり汗ばんだ髪に指を通す。
知盛は自分の髪を梳く望美の指を捕まえて唇を落とし、ぺろりと指先を舐めた。
彼の舌は、そのまま手首から二の腕へと伝うように這い降りて・・・



「んっ・・・」



やがて彼の舌先は、望美の肩に残る傷を、
何度も何度も丁寧に、なぞるように舐め始める。



「っ、あ・・・知、盛ぃ・・・」



その甘い疼きのもたらす快感に、望美は耐え切れず仰け反った。
1度快楽を覚えてしまった躯は、彼の愛撫ですぐさま熱をぶり返す・・・。



――――――― ・・・妬けるな。」

「・・・・・え?」



言葉の意図が掴めない。
今もこうして彼と躯を重ねているというのに、なにを妬くことがあるというのか。
思わず望美が問い返すと、知盛は望美の首筋に顔を埋めて、
唇が耳に、微かに触れるか触れないかのところで、小さく囁いた。



「俺はお前が俺を知るほどに、お前のことを知らない・・・
お前にこの傷を付けたという俺は、どのような俺だったのか・・・」

「まだ、気にしてたの・・・?」



望美が問うと、知盛は耳元でクッと可笑しそうに笑った。
その艶のある声に、望美の背筋は粟立ち、眩暈にも似た感覚をもたらす。



「・・・気にするさ。」



知盛の唇が望美の首筋を吸い上げ、紅い華を散らす。
思わず声が漏れそうになり、望美は必死にそれを堪えた。



「俺はお前が思うよりもずっと・・・独占欲が強いんだ。」

「・・・そう、なの?」



猫のように擦り寄ってくる知盛と、そのくすぐったさに、
望美はくすくすと笑って、彼の髪を撫で付けながら尋ねた。



「あぁ・・・だから、付けろよ・・・」



今度は“なにを?”と望美が問い返すより先に。
知盛が髪を撫でていた望美の手を掴んで、彼の背中へと導いた。



「お前にこの傷をつけた俺には、お前の爪痕はないんだろう・・・?」



そう言って笑った知盛の顔は、いつもよりも数倍艶やかな笑みを形作っていた。




醜く渦巻く感情に身を任せ。
そうすれば、きっとそれは甘い痛みに変わるから。
結構贅沢な悩みだと思うよ、自分に嫉妬できるのは。



▲ TOP   ▲ BACK














4 それはまるで
食欲た、






俺の女は、俺が欲しくて時空とやらを越えてきたらしい。
そんなに俺が欲しかったのかと尋ねたら、
迷うことなく欲しかったと答えたこの女は、どこまでも貪欲で美しい。



「・・・ねぇ、知盛・・」



その女・・・望美は。どこか甘さを含んだ、物欲しそうな声で俺の名を呼ぶ。
眩暈のしそうな日常に、それも悪くない、と思ってしまっている自分がいることも事実だ。

人は、食物を摂取しなければ生きてはゆけない。
それと同じで、この女は俺を片端から食べ散らかしたというのに、決して満足したとは言わなかった。

俺の味を知れば知るほど、もっともっと、もっと俺を喰わせろと言ってくる。
こんなものじゃ、少しも腹の足しにはならないと。



「・・・なんだ・・まだ、足りないのか・・・?」

「ん・・・」



瞼に唇を落としながらそう言うと、肯定とも吐息ともとれる音が望美の口から漏れて聞こえた。
俺を見上げる深緑の瞳は、いつもよりも深みを増して、情欲の色を湛えている。



「クッ・・・そんなに、がっつくなよ・・・?それとも、それほど俺が欲しいのか?」



今までに、何度も何度も繰り返した質問だ。
わかりきった答えをわざとらしく尋ねると、望美は軽く頬を膨らませ、
眉を潜めて上目遣いに、不満だといわんばかりに俺を見た。



「・・・・・・いじわる。」



ぼそりと呟いて、ふいっとそっぽを向いた望美の顎をすかさず捉え
力尽くで無理矢理こちらを向かせると、望美が逆らえないのを知っていて、その耳元に低く囁く。



「いいじゃないか・・・聞かせろよ。」



ほんのりと上気した望美の躯が、微かに震えた。
薄っすらと開いたその、甘くてぷっくりとした唇を、指の腹で撫ぜながら続ける。



「お前の、その唇で・・・・・・聞かせて、くれよ?」



最後にチロリ、と舌先で耳を舐めてやると、望美は手で耳を押さえ
高潮した頬を隠しもせずに、すぐさま俺をキッと睨んだ。

別段、こういう行為は初めてでもないのに、
いつまでも初心で、男に慣れないところは最初の頃から変わらない。

その生理的な現象で潤んだ瞳は、奥に潜む女としての望美が、
俺を欲していることを確かに示しているのに、言葉に出すのには躊躇いを覚えるらしい。

だがそれでも、俺がニヤニヤとした笑みを消さずにいると、やがて観念したように呟いた。



―――――――― ・・・欲しい、よ。」



それはとても小さな声だったが、俺の耳に届くには十分な大きさだった。



「知盛が、欲しいよ。」



今度は情欲だけでなく、強い意志をも湛えた望美の両瞳に、俺が映っていた。
――――――― ・・・出逢った頃と同じ、あの瞳。
その眼差しに射抜かれて、不覚にも俺は背中がゾクリと波打った。



「クッ、いいぜ・・・・・もっともっと、俺を喰らえばいい。」



言いながら、ゆっくりと体重を掛け、望美の躯を押し倒す。
望美はそのまま抵抗もせず、いとも簡単にベッドに押し倒された。
シーツの上に散らばった髪の一房を掴みあげ、そこへ口付ける。



「だがその代わり・・・俺にも、お前をくれよ。俺もまだ、渇いている・・・・お前に、飢えている。」



まだまだ喰い足りないから、もっと俺にお前を与えてくれ。



「・・・・・いいよ。私を、知盛にあげるから。だから知盛も、知盛を全部私に頂戴?」

―――――― ・・・あぁ、構わない。俺はもう、お前のモノ・・・なんだからな。」



―――――― ・・・俺は今度こそ文字通り、望美に喰らいついた。




互いに互いを喰らう行為は、食欲に似ている。
結局人間は、そういった必要不可欠な欲で出来ていると思う。



▲ TOP   ▲ BACK





















私以外の人とキスしないで。

黙ってどこか行かないで。

ずっと私の傍にいて。

私だけのものでいて。

私だけを愛して。


全部あげていたら、キリがない。
望美達の世界とやらにやって来てから、望美が俺に突きつけた要求の数々。
そして今日も、またひとつ
―――――――



「他の女の人に、色目使っちゃ駄目。」

「使ってなどいない・・・と言っても、お前は納得しないんだろうな?」

「うん、しない。」

「・・・俺に、どうしろと?」

――――――― ・・・知盛が他の女の人、見るの嫌。」

「神子殿は、随分と無茶な注文をされるんだな?他の女を、一切視界にいれるなと・・・?」

「・・・じゃあせめて、私と一緒にいるときは私だけ見ていて。
余所見しちゃ駄目、声掛けられても返事しないで。
あなたの隣にいるのは、独占できるのは私だけでいいんだから。」



「クッ、仰せのままに・・・・俺の、神子殿?」



お前がどうこう言わずとも、俺はお前にしか興味はないし、お前しか見ていない。
どうしてお前はそう、自分のことだけは見えていないんだろうな?
お前が思うよりも、もうずっと以前から。俺はお前に、跪いているんだぜ・・・?




これは私のものなんだから。
最後のセリフを言わせたかっただけ。あとは意味不明。



▲ TOP   ▲ BACK














6 自己
犠牲=自己満足






戦いたくない、とお前は言った。

どうしてお前と戦おうとするのか・・・そんなの、答えは簡単だろう?
俺はお前の手に掛かって殺されたいんだよ。

お前に殺されれば、俺という存在は、一生お前に刻み付けられる。
人というのは生者のことは忘れられるが、死者のことはそう簡単に忘れないものなんだぜ?



・・・お優しい白龍の神子様は、自らが手に掛けた男のことをずっと、忘れないだろう・・・?



それこそが、俺の求めるただひとつ。
・・・そうこれは、自己犠牲なんかじゃない。お前に俺を刻み付ける、唯一の方法。

そして
――――― ・・・

・・・ただ俺が。満たされ、お前の中で生きていくための術でしかない。
俺は俺の死でもって、お前に俺を刻み付ける。



一生消えない傷と、二度と戻らない日々と。
甘美な心の痛みを貴女に
―――――― ・・・ずっと俺を、忘れないように。



・・・それこそが、俺の生きた証。




場合によって、死は己が存在を刻み付ける最も効果的な方法である。
きっとあれは悲劇なんかじゃなくて、多分そんな自己満足だったのだ。



▲ TOP   ▲ BACK














げても無駄






お前は可愛い可愛い籠の鳥。
・・・そう必死に逃げられると、追い詰めたくなるのが人の性。






両手首を絡め取って、細い躯に圧し掛かると、あいつは僅かに身動ぎした。
唯一自由な口で、無駄な抵抗を見せ
――――――― ・・・そこがまた、俺をそそる。


絶対的な力の差を前にしても、諦めないその眼差し。
抵抗にもならない抵抗が、あまりにも扇情的で
その小さな行動の1つ1つが艶やかに、酷く俺を煽るから
俺はその高揚感をもう1度楽しみたくて、獲物を狩る寸でのところで手を離す。


解放されて、慌てて逃げ出した可憐な小鳥は
俺の掌で踊らされていることに、まだ気付かない。


俺という鳥籠に捕らえられておきながら、
どうしていつも寸でのところで逃げ出せるのか・・・考えもしないんだろう?


・・・けれどもうしばらくは、この関係を楽しんでいよう。逃がすつもりは、さらさらないが。
俺の手から飛び立ち、再び俺の手によって捕らえられ、
俺が愉悦を感じるためだけにそれを繰り返す、憐れな鳥。
お前は所詮、小さな小さな籠の鳥。・・・いつか、俺に捕まるしかないんだよ。




憐れな鳥は、空を知らない。狭い籠の中を、大空と思い飛び続ける
―――――― ・・・




・・・いくらお前が羽ばたいても、所詮それは籠の中。




その痺れるような甘さに、酔いしれる。
きっとやってる本人は楽しい、S。
・・・ってか知盛鳥籠!?(笑)



▲ TOP   ▲ BACK














していいか






・・・そう聞いたら、きっとお前は瞳を丸くして驚くのだろう。
愛していないのかって?・・・とんでもない。


―――――――― ・・・愛しているさ、その美しい髪の一本までも。


誰もが惹かれる強い眼差しも、可愛らしい声で啼く唇も
髪の毛の一本から骨の髄に至るまで、全て、全て俺のもの。

けれど考えても見ろよ?
俺がお前を殺したら、お前は誰の物にもならないだろう?

お前のその情欲に塗れた眼差しも、掠れた声も。
俺だけが、知っていればいい。
死に顔も、死にゆく間際その一瞬の表情すらも
これっぽっちも譲るつもりはない、誰にも見せたくはない・・・俺だけのものでいい。


他の男に殺されるぐらいならば、俺は迷わずお前を殺すぜ・・・?


そうすれば、お前の全ては俺のもので終わるから。
・・・愛と憎しみは紙一重とは、昔の人も良く言ったものだ。




究極の愛とは良く言ったものだ。



▲ TOP   ▲ BACK














9 『
永遠






あの女に刻まれた傷が疼く。
・・・早く早く、あの女の白い肌に俺を刻み付けたいと疼く。
ただそれだけの感情で、俺は今を生きている。

時空を越えたと言った女、俺を探していたと言った女、俺に傷を刻んだ、俺が探し、追い求めている女。

早く早く・・・お前に、俺を刻ませてくれよ?
血が騒ぐ、躯が熱い。やられっぱなしは、性に合わない・・・

・・・今度はお前が、俺を求めて狂い咲くように。

狂気に染まった華は、それはそれは綺麗に華開くのだろう。
その蕾を、俺が咲かせる・・・・・・・・・・



そうして今度は、お前が俺を―――――― ・・・








あの人に付けられた傷が疼く。
二度と消えないこの傷は、私に貴方を永遠に、忘れさせてはくれないでしょう。
何度時空を繰り返しても、この掌から零れて逝ってしまう貴方が、私はたまらなく愛おしい。

戦場で刀を交えた貴方、いつも私が殺してしまった貴方
私に傷を残して逝った、今私がなによりも欲している貴方。

いっそのこと貴方も、私が忘れられないようになってしまえば良かったのに。
傷が痛い、息が苦しい
―――――――― ・・・


―――――――― ・・・貴方が、欲しい。


例え私を知らない貴方でも、消えないで済むならそれでいい・・・
もう1度初めからやり直して、私という存在を、・・・深くきつく、
二度と忘れられないように、狂おしいまでに刻みこめばいい。



そうして今度は、貴方が私を―――――― ・・・



――――――― ・・・『永遠』に時空を繰り返して、歪んだ愛情を深めて逝こう。




不毛な永続的は好き。
けどそればっかりもあれだから、最後は報われるといい。
しかし狂い咲・・?狂お・・・??我ながらわかりません。



▲ TOP   ▲ BACK














10
と、そして君。






いつもの部屋、いつものベッド。
いつものように床に散らばる服を着て、いつものように部屋を出て行こうとするお前は、
いつものように失敗すると、始める前から既に決まっている。



「おい・・・何処へ、行く?」

「学校に決まってるでしょ!・・・もう、知盛のせいでずっと出席率悪いんだから!」

「クッ・・・それは俺の、せいなのか・・・?」

「他に誰のせいだって言うのよ!」



制服のスカートを身に付けながら、器用に首から上だけで振り返って
俺に抗議する望美の腰に、素早く腕をまわして引き寄せた。
突然のことに望美はバランスを崩し、そのまま俺のいるベッドの上に逆戻り。



―――――――― ・・・こうなってしまえば、もう俎板の鯉。



「ちょっ・・・ちょっと!放してよ!!!」

「・・・クッ、そう言われて・・・放すと、思うのか?」



堪えきれず笑い声を零し、背後から耳元に囁きかけた。
手は腹部を撫で、吸い付くような白い肌を弄り、這って、そのままブラウスの中に。



「やっ、本当に・・・ッ、駄目だってば!!」

「そうなのか・・・?」



くすくすと楽しげに笑えば、腕の中の抵抗は激しさを増す。
じたばたと暴れる望美の手首を、彼女を弄んでいないほうの手で掴まえた。



「出席日数足りなくなって、留年しちゃったらどうしてくれるのよ!?」

「・・・別に?構わないだろ?」



答えながらも、手の動きを止めることはない。
そっと首筋に息を吹きかけると、望美の身体が弓形にしなった。


「別に、って・・ッ!!」


真っ赤な顔をして抗議する望美に、くすりと笑う。
つくづくこの女は、俺を楽しませてくれる。



「俺のところに、来ればいい・・・」

―――――――― ・・・え?」



そう言ってやると、望美は案の定瞳を丸くして動きを止めた。
そんな無防備な姿を晒して、誰に襲われても文句は言えないぜ?

―――――――― ・・・隙を見せた、お前の負けだ。

俺はその隙を突いて、捕らえていた望美の手を強く引き
倒れかけた望美の身体と、俺の位置を入れ替えると、そのまま覆い被さりながらベッドに押し倒す。



「!!」




途端望美の表情が強張って、漸く自分の置かれた状況に気付いたようだが、もう遅い。
傍に落ちていたネクタイを掴み、手際よく望美の両手を一つに纏めて縛り上げると
それを片手で押さえ込んで、悠々と、俺の下でもがく望美を見おろした。

肌蹴た白いブラウスに、盛大に暴れて捲くれあがった、まだホックの止まっていない膝上丈のスカート。
情事の後が残るシーツに広がる、美しく長い髪と、ほんのり上気した頬・・・俺を誘うには十分な光景。



「・・・っ、知盛!!!」

「クッ・・・・・いい眺めだぜ?」

「馬鹿・・・っ!」



その言葉を最後にして、俺は望美の唇に噛みつくように口付けた。



甘い鎖を絡められて、今日も彼女は檻から出られない―――――― ・・・





甘く雁字搦め。でもきっと幸せ。
・・・知盛は現代に来ても、養うだけの甲斐性あるの?(黙れ)



▲ TOP   ▲ BACK