「将臣殿、重衡殿・・・・・その、すまなかった。」 漸く正気に戻った敦盛は、まだ赤みを残る頬を、手でパタパタと扇ぎながらそう言った。 あのあと、放っておいたらいつまでもそうしていそうな敦盛を、 将臣と重衡が2人掛かりで、なんとか中に招きいれたのだが、彼の動悸はまだ治まらないらしい。 本来なら、彼が謝る謂れはどこにもないと思うのだが、 この謙虚さが彼らしさの1つでもあると重衡は思っていた。 「お前は謝るようなことしてないだろ。」 「そうですよ、敦盛殿。悪いのは兄上なのですから。」 将臣の言葉に同意して、重衡はさらりとそう告げた。 ・・・そう、普段の態度こそああではあるが、一度戦場に出れば優れた武将である兄が、 気配を殺そうともしていない敦盛の出現に、気が付かないわけが無い。 ――――――― ・・・それは例え彼が、正しくは“人”ではなく“怨霊”であっても同じことだ。 や将臣が物音に気付く、もっと早くから、敦盛に気付いていたに違いないのである。 「・・・そうでしょう?兄上。」 「・・・・・・・フン。」 それを肯定の意と見なして、重衡は満足そうに1つ頷いた。 つまりは、兄が悪いのである。 「し、しかし・・・」 だが、それでも歯切れが悪いのは敦盛だ。 気まずそうに、のほうをちらちらと見ている。 どうも先程のことがあって、彼女を正面から見ることが出来ないらしい。 瞳が合いそうになる度に、敦盛はほんのり頬を紅くして俯いてしまうのだ。 「気に、しないで・・・?」 自分を見ては、俯くことを繰り返している敦盛を見て、 けれどは、責めることも恥ずかしがってみせることもなく、優しく微笑みかけながら、 膝の上で軽く握られた彼の手に、そっと掌を重ねた。 彼女はつい先程、将臣によって兄の手から救出されたばかりである。 何時まで経ってもを解放しそうになかった兄に、痺れを切らした将臣が、実力行使に出たのだ。 重衡自身も、これにはいい加減どうにかしたいと思っていたので 勿論それに便乗して、存分に協力させていただいたが。 ・・・ともかく、色々あって漸く兄の手から逃れたは、そう言って敦盛に微笑みかけた。 その表情は、重衡に最初見せたような緊張感漂うものではなくて、 将臣に見せるような、本当に柔らかいもの。 何故が、初対面である筈の敦盛にそんな態度を見せるのかは解らなかったが、 お陰で兄の機嫌が再び急降下を始めたことは、間違いないようである。 兄がギロリと敦盛を睨み、それに気付いた敦盛が、困ったように兄とを見比べた。 けれどその原因とも言えるは、さっぱり状況を理解していないようで、 おどおどしている敦盛を見て不思議そうに、“どうかした?”と首を傾げ問いかける。 その優しい気遣いが、またも兄の機嫌を損ねるという悪循環だ。 「あー・・・敦盛、知盛のヤツは気にするな。コイツ、今日おかしいんだよ。」 「そう、なのですか・・・?」 将臣が、兄と敦盛の間を遮るように座りなおすと、 少しは落ち着いたのか、敦盛は初めてをまともに見据えた。 「先程は、見苦しいところをお見せしてすまなかった。私は―――――― ・・・」 そうして名乗ろうとした敦盛の目の前に、 けれどは人差し指を立てて見せ、静かにという仕草をした。 ややあって、口を閉じた敦盛に、は満足そうに微笑み―――――― ・・・ 「・・・知っているよ。貴方は無官の大夫、平敦盛。 笛の演奏が上手で、風が気持ちよくて落ち着く、涼しいところが好き。そうでしょう?」 ・・・こうして微笑んでいると、やはりは遠い記憶に微かに残る “あの人”に、似すぎているように思えてならない。 知っていると得意げに言われた敦盛は、重衡から見てもよくわかるほど、瞳を丸くしてを見ていた。 未来に出逢う過去の幻影 拾弐 「・・・初めまして、あっちゃん。は、という。」 「初め・・・・・・まして、敦盛、です・・・」 そう言って彼女は敦盛の左手を取り、微笑んだ。 どうして彼女は、そんな風に自分を呼ぶのか、見るのか、笑うのか。 これほどに清らかな少女を、己のせいで穢してはいけないと思うのに 呆気に取られて、手を引くことも忘れていた。 それに気が付いたのは、間抜けな返事を返してからだ。 ・・・そうでなくとも、先程から知盛の視線が痛いというのに。 「あ、殿・・・!」 「・・なに?」 「その、貴女のような方が・・・私に触れてはいけない。貴女が、穢れてしまう。」 敦盛はそのまま手を引っ込めようとしたが、却って強く掴まれてしまい、振り解けなかった。 戸惑い混じりにを見れば、彼女は変わらず優しげに微笑んでいる。 どこかほっとするその笑みに、思わず心和んでしまい、 これではいけないと敦盛は頭を振り、己に言い聞かせた。 「あの・・・」 「あっちゃんは、あっちゃんだよ?だから、大丈夫。」 そう言う彼女の指先が、掌に埋まっている宝玉をなぞった気がして、敦盛はハッと彼女を見上げる。 「貴女、は・・・・・・」 「それで。お前、敦盛に何頼みたかったんだ?」 何かを問いかけようとした敦盛の声は、間が悪く将臣に遮られてしまったが、 それ以上どう言葉を続けたら良いかもわからなかったので、そのまま口を噤む。 敦盛が感じているこれは感覚的なもので、それを言葉で表せといわれても正直困る。 だがその代わり、敦盛は気になることを聞き留めた。 「将臣殿が、私に御用があったのではないのですか?」 「あー、いやな?そいつ・・・は、俺の幼馴染なんだけどよ。 のヤツが、どうしてもお前に会って頼みたいことがあるっていうんでな。」 「・・・では、彼女も将臣殿と同じ世界から?」 「ああ、そういうことになる。それでお前を呼びに行って貰ったんだ。 だからお前に用があるのは、正確には俺じゃなくてこいつだな・・・急かしちまったんなら、悪い。」 「いえ、それは構いませんが・・・」 自分が何か、彼女の役に立てるとも思えず、改めてという少女に向き直る。 彼女は始終穏やかな笑みを湛えて、どこか懐かしそうに敦盛を見ていた。 「それで殿、私に頼みというのはなんだろうか?」 「うん。実はあっちゃんに、ヒノエ宛の手紙・・・文を、書いて欲しいんだ。」 敦盛の手を、きゅっと力を籠めて握り、小首を傾げるの口から、思いがけず漏れた友人の名。 あの何事も派手好きな友人と、目の前にいるこの少女とがどうしても結び付かず、 敦盛は気付かないうちに口を開けて、を凝視してしまっていた。 ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● 「・・・・・・殿は、ヒノエのことをご存知なのか?」 男にしては大きめの瞳を、きょとんと丸く見開いて、敦盛が問う。 まるで、“ひのえ”とやらを、知っているようなその口振りに いや、実際に知っているのだと思い直して、将臣は思わず敦盛に詰め寄った。 「おい、敦盛っ!お前、その“ひのえ”とかってヤツと知り合いなのか!?」 尋ねた声は意図していたものより、ずっと大きく、荒々しくなってしまって、 敦盛を驚かせてしまったようだが、悪いが今はそんなことに構っていられる余裕はない。 将臣の剣幕に瞳を白黒させた敦盛は、ややあって不思議そうにそれを肯定した。 「は、はい・・・?ヒノエは、私の友人で・・・」 「マジか!?“ひのえ”ってどんなやつだ!? 男なのか!?を任せても、本当に大丈夫なんだろうなッ!?」 ヒノエという人物と敦盛が、どうやら知り合いらしいと確証を得て、 勢いづいた将臣は、立て続けにそう捲くし立てた。 ・・・を傍に置いておきたくないと言えば、嘘になる。 明日この命が消えるともわからないこの世界で、折角再会できたのだ。 出来るだけ長く、一緒にいたいと思うのは当然のことで・・・多分、もそう思ってくれている。 だが、他人の感情に敏感なこの幼馴染を、平家という戦乱の確執に巻き込みたくはないし はっきりと尋ねたわけではないが、恐らくも、 そのお世話になっているヒノエという人物の元へ、帰るつもりでいるのだろう。 の口から、言葉として聞いたわけではないのだから、 100%そうだとは言い切れないが・・・将臣には、なんとなくそんな気がした。 あの人付き合いを嫌う・・・というよりは、恐れている節のあるが、 目覚めた途端、将臣の知らないヒノエとやらに助けを請うたのだ。 どれだけがヒノエに心を許し、そして信用しているのかが窺える。 ―――――――――― ・・・ただ、現代にいたあの頃なら。 まず真っ先にが呼ぶのは、自分の名前だったろうと思うと、 可愛い妹をとられたような、ちょっとした悔しさも湧いてくるが、それには目を瞑った。 だが、“還内府”という自分の置かれている立場を顧みれば、非常に不本意ではあるが、 をヒノエの元へ返さなければならない・・・否、返した方が良いことは、明白で。 ・・・だからの身柄を預かっているヒノエというのがどんな人物なのか、 将臣はどうしても知っておく必要があった。いや、知っておきたい。 の兄代わりとして、知りたいと思うのは当然のことだし、その権利もあると思う。 そして知ることで・・・少しでもいい。は無事でいられると、自分を安心させたかった。 もし自分がいなくなってしまっても、この世界でも・・・彼女は生きていけると。 泣くなとは言わない、けれど1人で泣かないで済むのだと――――――― ・・・ けれどこのときの将臣は、その想いだけでいっぱいになっていたのだろう。 周囲に目を向けるだけの余裕もなく、 誰かの手が将臣の行動を諌めるように肩に置かれたことで、はっと我に返った。 そのままくいっと、肩ごと体を引っぱられ、首を伸ばせば、額がぶつかりそうな位置にあった敦盛の顔が遠のく。 肩越しに振り返れば、乗せられた手は重衡のもので、 彼は申し訳なさそうに、ぎゅっと眉間に皺を寄せてこちらを見ていた。 「将臣殿、まずは落ち着いてください。そのように揺すっては、敦盛殿も話そうにも話せません。」 「・・・あ。」 重衡の言葉に、改めて自分の手元をみれば、いつの間にかそれは敦盛の胸倉を掴んでいて、 余程酷く前後に揺らしていたのか、敦盛は目を回して昏倒する寸前だった。 慌てた将臣が、何も考えずパッと手を離すと、敦盛の体は惰性に従って、ふらりと後ろに傾く。 彼の体が倒れこむ寸前、焦った様子で敦盛を支えたのは、他でもないだった。 「あ、あっちゃん・・・!!大丈夫!?」 「わ、悪ぃ敦盛・・・!!」 「もう、オミ!あっちゃんに乱暴しないで!」 まるで小さな子供を守るように、敦盛の頭を抱き寄せて、が非難の声をあげる。 その途端、少し離れた位置で事の成り行きを見守っていた知盛の眼差しが 少しばかり鋭くなったような気がして、将臣は気のせいかとも思ったが、そうでもなかったようだ。 ごほごほと数回咳き込んでから、敦盛は慌てて、失礼にならない程度にを押し退けた。 「い、いや・・・私ならば大丈夫だ・・・殿。・・・・・・その、迷惑をかけてすまない。」 「迷惑だなんて、思っていないよ?だから、大丈夫。」 敦盛の行動はどう見ても不自然だったが、はなんら疑問を抱かなかったようだ。 そうしては、彼女にしては珍しいくらい、にっこりと微笑みかけて、あっさり敦盛から離れた。 敦盛がそっと、安堵の息を吐いたのが、肩の動きでわかる。 彼は何度か深呼吸をして、自身を落ち着け呼吸を整えてから、敦盛がゆっくりと口を開いた。 「ヒノエは・・・その、信用のおける男だと思います。 多少、軽いところはありますが、情にも篤い・・・根は悪い奴ではありません。」 軽い、という敦盛の言葉に、将臣は多少の引っ掛かりを覚える。 将臣からしてみれば、敦盛なんかは生真面目で、少々固すぎる部分があるのだが 主観よりも、客観的に物事を判断する彼がそう言うのだから、強ち的外れではないのだろう。 軽い男なんて、の一番苦手とする分類ではなかったか? だとしたらどうして、はそんな男に懐いているのだろう・・・? 内心渦巻く疑問は尽きなかったが、今ここで口を開いたら、 また声を荒げてしまいそうな気がして、寸でのところでそれを堪える。 そんな将臣に気付いたのか、敦盛はチラリと視線だけでを見て、こう続けた。 「ヒノエは幼い頃から、近くに住む同じ年頃の子供達の、先頭を切って歩くような子でした。 ・・・いざというときは、仲間を庇うことも厭わない勇気を持ち合わせ、頭も良く切れます。」 敦盛の言葉の端からは、彼もまた、ヒノエという男を信用しているのだとわかる。 多少性格に問題があるが、それでも悪い奴ではないということだろうか? まぁ人間、誰だって欠点の1つぐらいあるものだ。そう納得しかけたところへ、の声が割って入った。 「・・・例えば、子供達だけで鯨を捕りに行ってしまうような子供だった?」 「え・・・何故、それを?」 驚いた様子でを見た敦盛は、けれど最初に、 と対面したときのことを思い出したらしい、説明を求めるように、付け加える。 「・・・そういえば、貴女は初めから私のことを知っているようだった。」 敦盛の声からは、これといってを責めるような響きは感じられなかったが どうしてか、は少し寂しげに笑った。 ・・・最も、それは小さい頃からを見てきた、 将臣ぐらいしか気付かないほどの、微々たる変化ではあったろうが。 「うん・・・ヒノエから、あっちゃんの話を聞いたことがあるんだ。 小さい頃、子供達だけで鯨を捕りに行って、ヒノエは帰ってからヒノパパに・・・ ヒノエのお父さんに、散々怒られたこととか、 悪戯半分で笛を隠したら、泣かせてしまって困ったこととか・・・いろいろ。」 「鯨を捕りに・・・ですか?」 の話を聞いて、重衡が驚いたように敦盛を見ると、 敦盛はそれが恥ずかしかったのか、頬をほんのり紅くして、視線を彷徨わせる。 その様子に、どうやら本当らしいと受け取ったのか、 重衡はどこか呆然として、“そうですか・・・鯨を”と、繰り返し呟いた。 確かに、あの温厚な敦盛が、鯨を捕りに行くなんて・・・新鮮というか、不釣合いだ。 呆然としている重衡の表情も相まって、少しだけ笑ってしまった。 「ですから、その・・・殿のことも決して悪くはしないと思う。」 敦盛は将臣をしっかり見据えてそう言うと、今度は将臣から視線を外し、改めてに向き直った。 「・・・殿。」 「なに?あっちゃん。」 が、優しげな口調で尋ねる。 それはまだ、自分達が子供だった頃、彼女が譲や望美にしていたような仕草で。 「・・・ヒノエのこと、くれぐれもよろしく頼む。」 言って深々と頭を下げる敦盛に、将臣は思わず一瞬固まり・・・待て、なにを言っている? 「え?うん・・・?「なに言ってんだ敦盛ッ!?」 敦盛の真剣な眼差しに呑まれ、訳もわかっていないままとりあえず頷こうとした、 いや、既にほとんど頷いていたを遮り、将臣はこれでもかというほど声を張り上げて叫んだ。 あまりに大きな声で叫びすぎたせいか、近くにいたが頭をくらくらとさせ、 ふらっとよろめいたのを、すかさず重衡が支える。 普段から、決して声が小さいとは言えない将臣の大声はかなり効いたのか、 床に両手をついていた敦盛が、よろよろと顔をあげた。 「・・・・・・しゅ、祝言をあげるという話では、なかったのですか・・・?」 「んな会ったこともないような奴に、をやれるわけがねぇだろッッ!?」 「クッ・・・」 聞き慣れた笑い声に、はっとそちらを振り向けば。 実に楽しげに知盛が笑っていて・・・・・・あぁ、嫌な予感がする。 「では兄上は、自分が知っている者であれば良いとでも言うのか・・・?」 「少なくとも、お前には手出しさせねぇからな・・・ッ!」 「兄上、余計な口出しはなさらないでください!・・・将臣殿も、落ち着いて。」 予想通りの返答をくれた知盛に、将臣は精一杯叫び返した。 “これだからこの兄弟は嫌なんだ!”と内心罵る・・・重衡は完全なとばっちりだ。 このやりとりに、重衡は目に見えて眉を顰め、疲れたようにこめかみの辺りを押さえていたが、 はそんな喧騒もものともせず、寧ろ楽しそうにくすりと笑った。 「あっちゃん、もしかして勘違いしていた?はヒノエのところにいる、ただの居候だよ。」 「え?・・・・・・そ、そうなのか!?それは、失礼なことを言った・・・」 「大丈夫。ヒノエの傍にいると、そう言うのは自然に慣れてしまうから。」 「おいっ、どんな奴なんだよそりゃ!?」 「―――――――― ・・・オミ、静かにしていて。あとで、きちんと話すから。」 ぴしゃりとに言い放たれては、それ以上何もいえない。 渋々口を閉じると、知盛が笑った気配がして、にばれない程度に睨みつけておく。 「将臣殿が任せると言っていたものだから・・・あぁ、私が早とちりしたのだな。」 「いえ、途中から聞いたのならば、勘違いされるのも無理はない話の運びだったかと。」 未だ失礼なことを言ったと気に病んでいる敦盛を、そう言って重衡が宥める。 は敦盛の近くに寄ると、重衡の言葉にうんうんと同意して見せた。 「うん、オミが変な言い方をするからいけない。」 「殿も、そう言わずに。将臣殿は、殿のことをとても心配しておられるのですよ。」 腕を組んで断言するの様子がおかしかったのか、重衡がふっと表情を緩める。 それからちらりとこちらを盗み見て、微笑んだ。 「それは・・・わかって、いるけれど。」 「私達の屋敷に来られたばかりの頃、将臣殿は自分の幼馴染殿と弟君も、 同じようにこちらに来ているだろうから探してくれと、必死に父上に頼み込んでおりましたから。 それはもう、居ても立ってもいられないといったご様子で。」 「・・・おいっ、重衡・・・!」 “余計なことは言うな”、そう言おうとしたが、 得意の見事過ぎる笑みでにこりとやられ、あっさりその先を封じられてしまう。 ――――――― ・・・重衡のこの笑みが曲者であることを、 彼にころっと悩殺されてしまう女達の・・・いや、そうでなくとも何人が知っているだろうか。 二の句が継げられなくなった将臣を、重衡は満足そうに見て、の髪を梳き、耳に掛ける。 それを見た敦盛が、また仄かに頬を染め、弟の行動に知盛が、微かに殺気立つ。 そんな2人を一瞥し、重衡は――――――― ・・・あの笑みは、絶対に楽しんでいる表情だ。 あぁ、どうしてこの時代に胃薬はないのだろう。そんなことを、真剣に悔やむ。 「大切な幼馴染殿のことが、気に掛かって仕方なかったのですよ。 殿がどうしてここに居られるのか、 順を追って敦盛殿に説明するのを、忘れてしまうくらいに・・・ね。」 “かく言う私も、将臣殿からきちんとした説明はされておりませんから。” ・・・先の尖ったものでちくちく突くような物言いで、重衡はそうの耳元に囁き掛け、 その場にいる全員に向けてそれは挑戦的に、悪戯っぽく微笑んで見せたのだった。 ―――――――― ・・・当のが、全く動じていなかったのは、また別の話。 |
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戯言。 重衡のキャラが掴めない・・・!!(阿呆) 任那は彼が、さり気無く黒いと思っているので、最初は白く書いているのに、 途中から主観が混じって黒くなるので、キャラが固定しないのかと。 最後とかなにしたいのかさっぱりわかりませんが(オイ) 多分将臣とか知盛とかからかって遊んでるだけなんだろうなぁ・・・血は争えないというお話。 まぁ重衡は常識人、ときどき非常識な感じで行くとして、今回やっとまともに敦盛が話しました! このときはまだ、敦盛が怨霊だと確信は持てていないのですが、 どうやら秘密があるらしいことぐらいは気付いています。なので何かを知っているような口振りなんです。 彼はやたら低姿勢というか・・・すぐ謝るイメージがあるのですが それだとと被るので、と敦盛が話す時は、が頑張っています。 1週目でも、2人は結構仲良しさんだったんですね。 九郎みたいに感情を荒げないし、2人とも静かなところの方が好きなので。 ・・・なんていうか、敦盛は照れ屋で、尚且つ結構天然さんだと思う。 いや、決して阿呆という意味ではなく・・・ともかく可愛いんだよこんちくしょう!!(お前が阿呆だ) ・・・ともかく敦盛には、さっさとヒノエに手紙を書いて貰いましょう、さん。 |
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2007/11/25